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内科
当院では感染症等の急性疾患や各種の慢性疾患など内科全般の診療を行っています。
健康診断等の二次検査や結果の相談等も受付けています。症状によってはどの診療科に受診してよいかわからない時もありますが、そういった場合でも受診して頂くことは可能です。
正確な診療はもちろんのこと、病気の理解や不安の軽減のため丁寧に納得のいく説明を行っています。各種検診や予防接種も行っています。お気軽にご相談下さい。
高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病について定期的な検査、適切な診断・治療・アドバイスをいたします。健康診断の二次検査や結果の相談も受付けています。
血圧は、心臓から送り出された血液が、血管を通るときに血液壁にかかる圧力です。心臓が収縮して、血液を押し出した瞬間が最高血圧、収縮後に拡張したときが最低血圧で、高血圧は、血管に強い圧力がかかっている状態です。
その結果、血管を障害していくので次第に血管が硬くなり動脈硬化へとつながります。高血圧は特有な自覚症状がないため深刻な状態に陥るまで気づかないことが多く、心臓病や脳卒中などの原因となるため注意が必要です。
高血圧の治療の中心となるのは、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つです。このうち、食事療法と運動療法は、すべての高血圧の患者様が最初に取り組む治療であるとともに、長期にわたって続けていく治療の基本でもあります。
この2つの治療法を行っても血圧の調節が難しい場合やその他の病気がある場合は、薬物による治療も行われます。
血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が多い為に引き起こされる疾患です。これら余分な脂質は、動脈の壁にくっついて血管を硬く狭くして動脈硬化を引き起こします。
コレステロールには善玉コレステロール(HDL)と悪玉コレステロール(LDL)があり、善玉コレステロールは細胞内や血管内の余分な脂質を肝臓に戻す働きがある為、悪玉コレステロールを減らすことに役立っています。
高脂血症の主な原因は食生活(塩分の高い食事)や嗜好(喫煙・飲酒)過多、運動不足が考えられます。内臓脂肪、例として脂肪肝(肝機能障害)を引き起こします。
適度な強さのウォーキングなどの有酸素運動を続けると、トリグリセライド(中性脂肪)を減らし、HDLコレステロールを増やす効果があることが分かっています。また、運動は肥満の予防や解消に役立ちます。
脂質異常症の薬には、主にLDLコレステロールを下げる薬や、トリグリセライド(中性脂肪)を下げる薬があり、それぞれに適した薬を処方します。薬を2~3ヶ月服用しても、脂質管理目標値まで下がらない場合には、薬の変更や増量が検討され、数種類の薬を併用して服用することもあります。
薬の効果をしっかりと出すために、また副作用を防ぐためにも、医師、薬剤師の指示通りに服用することが大切です。薬の効果や、副作用がないかどうかを確認するために、定期的に血液検査を行います。
糖尿病とはインスリンの分泌や働きが低下することで、血液中のブドウ糖(血糖)が増え、高血糖の状態が続く病気です。
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしていますが、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまいます。
進行すると体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、喉が渇いたり、多尿、頻尿、倦怠感、体重減少、できものができる、傷が治りにくいなどの症状が現れます。また、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの合併症にも注意が必要です。
2型に続き多くみられる、インスリンが絶対的に不足してしまう種類の糖尿病です。
膵臓内の”ランゲルハンス島”の細胞が破壊され、インスリンの分泌量が不足してしまうタイプです。不足する原因は自己免疫反応の異常で、特定のHAL抗原を遺伝的に持っているという場合が多くみられます。
また、おたふくかぜ等のウイルスや細胞が自己免疫反応を引き起こす抗体を作っていることや、原因が特定されていない突発性の可能性もあります。
この1型は、10~18歳の若い年齢やこどもに多くみられる為、若年性や小児性糖尿病と呼ばれることもありますが、高齢の人に発症しないわけではありません。
症状はのどの渇き、だるい、排尿回数の増加、倦怠感など、風邪の時にみられるものと似ています。そのため、風邪と思い込んで放置していると昏睡になりやすいので注意が必要です。
日本人の糖尿病患者のうち9割以上にみられ、遺伝病と生活習慣が深くかかわりあっているタイプです。
遺伝による糖尿病の発症原因を持っている人が、生活習慣などの誘因原因を重ね合わせて持ってしまうことで発症します。
遺伝病や体質によって、インスリンの分泌量が不足する、インスリン受容体の遺伝子異常、分泌のタイミングの異常、インスリンに対する抵抗性の物質が存在する、などの体質があります。
また、その体質に誘因が加わることで、インスリンの需要が通常よりかなり増加してしまう、インスリンの作用が低下してしまう、分泌異常が起こる、といったパターンで発病するのが特徴です。
2型でみられる症状には、強い空腹感と食欲、常にのどが渇いている、疲れやすい、等があります。さらに進行すると、食べているのに痩せる、といった症状も見られますが、この時点ではかなり深刻な状態であると考えられます。
しかし、初期段階での自覚症状がほとんどありません。10年以上静かに進行しているケースもあります。そのため、症状が現れた段階ではかなり進行した状態であるか、急激に悪化してしまった可能性があります。
妊娠中に初めて糖尿病を発症した場合、もしくは、妊娠がきっかけとなって発症した場合に”妊娠型”と診断されます。
妊娠中は体内で、インスリンの作用を抑制もしくは働きを弱めてしまう物質が分泌されます。この物質の分泌により、それまでは発症する誘因がなかった遺伝要因を持つ人が発症することもあります。
通常は出産することで抑制物質が分泌されなくなるため糖尿病の症状も改善されますが、まれに、この妊娠中の発症がきっかけでそのまま1型・2型の糖尿病になるケースもあります。
自覚症状としては、糖の代謝異常が起こってしまうことで疲れやすくなります。妊娠型で最も深刻な症状は、胎児の発育への影響です。しかし、胎児へどのように影響が出ているか母体の症状からはわかりにくい為、妊娠中の糖尿病には気をつけていなければいけません。
がんや膵臓疾患など、他の病気が原因で発症するものや、薬の副作用などによるタイプです。
がん・膵臓疾患・甲状腺機能障害・ホルモン分泌機能障害などの疾患による糖尿病を”二次性糖尿病”と言います。
甲状腺機能亢進症や屈伸具症候群、慢性膵炎等の疾患が当たります。
また、疾患やけがの治療によって膵臓を摘出した人や副腎皮質ホルモン、ステロイド剤等を使用している場合もそれがきっかけで糖尿病になる場合があります。
発生の割合はとっても低いのですが、特定の疾患やそれによる特定の機序によって発症します。そのため、糖尿病の症状としては自分で気が付きにくいこともあるようです。疾患によるものは、慢性と急性があり、症状の現れ方にも違いがあります。
食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管や、それらに付随する肝臓、すい臓、胆のうなどの消化器にかかわる病気を専門的に診察し、必要に応じてレントゲン・内視鏡・腹部超音波などの機器を用いて質の高い診断と治療を行います。薬による治療だけでなく、生活全般の指導もいたします。
逆流性食道炎とは、胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、食道の粘膜を刺激し粘膜にびらん・炎症を引きおこす病気です。
胸やけ、ゲップ、呑酸(酸っぱいものが上がってくる)、胸部違和感、食道異物感、喉の違和感・つかえ感、喉のヒリヒリ感、胸痛、嗄声など症状があります。
胃炎には急性胃炎と慢性胃炎があります。どちらも胃粘膜の炎症ですが、病態は大きく異なります。
急性胃炎は、急に胃のはれ、ただれ、出血などが起きるもので、みぞおち部分の痛み、膨満感、吐き気、嘔吐などの症状があり、時に便通異常や下血を伴うことがあります。主な原因はウィルスや細菌などの感染やストレス、アルコールの過飲など、はっきりしています。
慢性胃炎では胃もたれや、不快感、食欲不振、胸やけ、膨満感、げっぷなどの症状が現れます。慢性胃炎の原因は、ピロリ菌が深く関わっているといわれています。
ピロリ菌や非ステロイド性抗炎症薬、胃酸などによって、胃や十二指腸の粘膜が傷つけられ、粘膜や組織の一部がなくなる病気です。上腹部の痛みや胸やけ、膨満感などの症状が起こります。
胃部の痛みや不快な症状を感じたり、さらに病気の程度が悪くなると、その部分から出血して吐血や下血(便に血液が出ること)、穿孔(胃・十二指腸に穴があくこと)、腹膜炎などの症状が起こったりします。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の多くは、薬などで治すことができますので、早めにしっかりと治療することが大切です。
ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした菌で、主に胃や十二指腸などの病気の原因になります。ピロリ菌に感染し放置しておくと胃炎が生じ、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になります。これらの胃炎の粘膜には胃がんが発生しやすくなります。
ピロリ菌に感染しているかどうかの検査には、血液中の抗体を調べる方法、内視鏡検査などの方法があります。
胆石症とは、胆のうや胆管に石ができて、痛みなどさまざまな症状を引き起こす病気の総称です。
胆石の典型的な症状は食後の右季肋部痛(右の一番下のあばら骨の裏側の痛み)です。差し込むような鋭い痛みの場合もあるし鈍い痛みの場合もあります。しかし、これ以外にも背中、肩、みぞおち、腰などに痛みがでることもあり、筋肉痛や肩こり、心臓病と間違われて治療を受けている場合もあります。
脂肪肝、肝炎、肝臓がんなどの病気があります。食べ過ぎによる肥満やアルコールの飲みすぎが原因の脂肪肝は生活習慣を改善することで治る肝臓の病気の中では比較的軽い病気です。
しかし、生活習慣を改善することなくそのままの生活を続けてしまうと、さらに肝機能が低下して、脂肪肝から肝炎、肝硬変、ついには肝臓がんを引き起こす可能性があるといわれています。肝臓がんを予防するためにも、ぜひ生活習慣を改善して肝臓の病気を予防しましょう。
急性膵炎、慢性膵炎、膵臓がんなどの病気があります。膵臓は、蛋白分解酵素をはじめとして、食べ物を消化・分解するいろいろな酵素を産生し、分泌しています。
急性膵炎は、いろいろな原因で活性化された膵酵素によって自分の膵臓が消化されてしまい、膵臓やその他の主要な臓器に炎症と障害が引き起こされる病気です。最も多い症状は上腹部痛です。痛みの場所はみぞおちから左上腹部で、しばしば背部にも広がります。痛みの程度は軽い鈍痛から、じっとしていられないほどの激痛までさまざまです。
慢性膵炎は継続的なアルコールの多飲などによって、膵臓に持続性の炎症が起こり、膵臓の細胞が破壊されて、実質の脱落と線維化(膵臓の細胞がこわれ、線維が増えて硬くなる状態)が引き起こされる病気です。典型的な症状として上腹部痛、腰背部痛があげられます。
気管支喘息、咳喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、睡眠時無呼吸症候群、肺非結核性抗酸菌症などの呼吸器疾患全般の診断・治療・管理を行っております。
気管支喘息は、気管支が慢性の炎症により狭窄や過敏状態を引き起こし、発作性の呼吸困難や咳・痰を生じる病気で、その背景にはアレルギーが関与していることが多いと考えられています。
喘息は、気管支などの空気の通り道(=気道)が、炎症によって狭くなる病気です。喘息の気道は、炎症によりたばこや冷たい空気などの刺激に過敏になっていて、反応が起こりやすくなっています。ちょっとした刺激で気道が狭くなって息苦しくなったりします。
かぜは治ったはずなのに、咳はちっとも治まらない、といったような状態が数週間続く場合は咳喘息かもしれません。
咳喘息は、発作的な激しい咳が夜中から明け方に出る、気道が刺激に過敏になっていて、アレルゲンが咳の誘因になる、季節によって悪化する、などの点は喘息とよく似ていますが、喘息に見られるゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難はありません。また、発熱や痰などの症状はほとんど出ません。
咳喘息は、喘息の前段階ともいわれています。咳喘息を放置すると、本格的な喘息に移行してしまうことがあるので、そうなる前に正しい治療をし、健康管理を続けることが大切です。
以前までは、肺気腫、慢性気管支炎と診断されていた病気です。
COPDは、たばこの煙などの有害物質が原因で気道や肺胞に炎症を生じ、肺の働きが低下します。COPDになると正常な呼吸が困難になり、せき、たん、息切れなどの症状がみられるようになります。
COPDの原因の90%以上は喫煙です。喫煙開始の年齢が若いほど、また1日の喫煙本数が多いほどCOPDになりやすく、進行しやすいと言われています。メタボリックシンドロームと並ぶ代表的な生活習慣病ともいわれ、40歳以上で発症する頻度が高くなります。
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まる病気です。
睡眠中に10秒以上の呼吸停止を無呼吸とし、無呼吸が一晩(7時間の睡眠中)に30回以上、もしくは1時間あたり5回以上あれば、睡眠時無呼吸です。
当院ではご自宅で睡眠時の呼吸状態を調べられる簡易検査を行っています。
本来なら体を守るはずの免疫反応が、食物や花粉など体に害を与えないとされるものにまで過剰に反応してしまうことで、自身の身体を傷つけてしまう、いわゆるアレルギー反応に変わってしまう症状(病気としては気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなど)を言います。
止まらない咳、くしゃみ鼻水や鼻詰まりなど風邪と似たような症状が続くが、発熱や喉の痛みはない、またじんましんがよく出るという場合は、アレルギーからの症状が疑われますので、お早めにご受診ください。
問診などの結果、アレルギーの症状が疑われる場合は、原因を特定する検査を行います。
アレルギー症状を引き起こす原因物質をアレルゲン(抗原)と言います。アレルゲンには、ダニ、ハウスダスト、花粉、食物、動物、カビなど、いろいろあります。当院ではアレルギーの原因物質を速やかに判明できるよう、まずアレルゲンが何であるかを特定するアレルギーの血液検査によるIgE抗体検査を行っております。
「皮膚テスト」、「食物負荷試験」などが必要な場合は適切な専門病院を御紹介いたします。
気管支喘息は、気管支が慢性の炎症により狭窄や過敏状態を引き起こし、発作性の呼吸困難や咳・痰を生じる病気で、その背景にはアレルギーが関与していることが多いと考えられています。
治療としては、気管支拡張薬で狭くなった気管支を拡げることだけでは不十分で、ベースにある炎症を抑える「抗炎症療法」が最も大切です。
ぜんそくの患者様では、たとえ症状が無くても気管支の炎症が水面下で続いていることが多く、抗炎症療法を一定の期間止めずに続けることが、難治化を予防する点からも大変重要です。
のどが「ゼーゼー、ヒューヒュー」いう喘鳴呼吸困難発作性の激しい咳、痰(夜間、運動後に多い)急に動けなくなる胸の痛み動悸、息切れ背中の張り
日本では、こどもの5~7%、大人の3~5%が喘息(ぜんそく)にかかっているといわれています。こどもの喘息(ぜんそく)は男子に比較的多く、アレルギーが原因である場合が60〜70%とされています。小学校高学年ぐらいから発作がなくなる時期がありますが、20~30歳代に再発することもあります。
大人の喘息(ぜんそく)の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで、男女比は女性がやや多くなります。こどもの喘息(ぜんそく)に比べ、原因はアレルギー、加齢、肥満等様々です。
アレルゲンとなるもの
アレルゲン以外の原因
ぜんそく治療に使われる薬は大きく分けて「長期管理薬(コントローラー)」と「発作治療薬(リリーバー)」に分けられます。治療の基本は、気道の炎症を抑える「長期管理薬」です。
気道の炎症を抑え発作を予防する「長期管理薬」
「長期管理薬」は2本だてです。最も重要なひとつめの薬剤は「吸入ステロイド薬」です。ぜんそくの症状は気道の炎症が原因で起こります。その炎症を抑え、発作を予防するのが「吸入ステロイド薬」です。「吸入ステロイド薬」が普及してから、ぜんそくで亡くなる人や入院する人の数が大幅に減少しました。
もうひとつの薬剤は、気管支を広げる「気管支拡張薬」です。「気管支拡張薬」には、長時間作用性β2刺激薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、長時間作用性抗コリン薬などがあります。ロイコトリエン受容体拮抗薬やテオフィリン製剤は、気管支拡張作用と抗炎症作用をあわせもっています。症状に応じて、これらの中からひとつ、あるいはいくつかの薬剤を用います。
吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を配合した薬剤は、1剤で炎症を抑え、気管支を拡張するため、広く用いられています。
長期管理薬は長期間使ってはじめて本当の効果が現れる薬です。使い始めてすぐに症状はおさまりますが、気道の中の炎症は続いています。症状がないからと途中でやめてしまわず、医師の指示通りに続けることが重要です。
ただし、2~4週間使用しても症状が改善しない場合は、ぜんそくでない可能性もあるため、主治医に相談しましょう。
ぜんそく治療における大きな目的は、症状や発作が起こらない状態(コントロール良好な状態)を保つことです。該当するステップの治療を行い、症状が出ない状態が3~6ヶ月持続すれば、治療をステップダウン(薬の種類や量を減らす)することも可能です。
症状が出なくなったからと自分の判断で治療を中止してしまわずに、医師の指示通り治療を続け、コントロール良好な状態を持続できるようにしましょう。
風邪、インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマなど、感染症によっても発作性の咳が出ます。感染症による炎症がきっかけとなり、喘息(ぜんそく)を発症することもあります。また、長く続く咳が結核やがんであることもあります。
風邪などはセルフケアによって短期間で治ることも多いのですが、感染力が強い、重症化しやすいなど、抗菌薬による治療が必要となる感染症もあり、症状が激しい場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が、慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎では、皮膚の“バリア機能”(外界のさまざまな刺激、乾燥などから体の内部を保護する機能)が低下していることが分かっています。
そのため、外から抗原や刺激が入りやすくなっており、これらが免疫細胞と結びつき、アレルギー性の炎症を引き起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて、かゆみを感じやすい状態となっており、掻くことによりさらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
アトピー性皮膚炎は皮膚が赤くなってブツブツができたり、カサカサと乾燥して皮膚がむけたり、かさぶたができる場合があります。強いかゆみを伴う皮疹が生じて、バリア機能が低下して普通なら感じないような刺激でかゆみが強くなって掻いてしまい、さらに皮疹を悪化させるという悪循環をたどることが多くなります。
良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、長期にわたり皮膚の炎症が続くアトピー性皮膚炎。炎症は、本来は体の外から侵入してきた敵と戦って退治する免疫反応によって起こるもので、細菌やウイルスなどから身を守るために必須のものです。
しかし、アトピー性皮膚炎ではこの免疫が過剰に反応し、本来退治する必要のないものに対しても不必要に炎症が起きてしまうことが病気の根本にあります。
免疫が過剰に反応する理由としては、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下も大きく関係しますが、他に、長期間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にしてアトピー性皮膚炎を悪化させることがあります。
ダニ、カビ、ほこり(ハウスダスト)など皮膚への物理的な刺激(引っかく、こするなど)化学物質(石鹸、化粧品、金属、消毒薬など)汗、皮膚の汚れ、紫外線など
アトピー性皮膚炎は、適切な治療により症状がコントロールされた状態が長く維持されると、症状がなくなる「寛解(かんかい)」が期待できる病気です。ただし、患者様の生活環境や生活習慣などによっては再び症状があらわれることがあるために「治った」とはなかなかいえません。
アトピー性皮膚炎を長期間にわたって調べたデータによると、年齢とともにある程度の割合で寛解することや、症状が軽い患者様ほど寛解する割合が高いこともわかっています。
治療は「症状がないかあっても軽く、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達して維持すること」、「軽い症状は続くけれども急激に悪化することはまれで、悪化しても症状が持続しないこと」を目標として進められます。
治療内容は「薬物療法」、「皮膚の生理学的異常に対する外用療法やスキンケア」、「悪化因子の検索と対策」を三本柱として進めていきます。炎症に対しては、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬を個々に、あるいは組み合わせて用いて、これに保湿薬などのスキンケアを継続します。治療により皮膚が一見きれいになっても皮膚の深い層に炎症が残る場合もあるので、治療を途中で止めてはいけません。
食物アレルギーは、小児から大人まで幅広い世代でみられるアレルギー疾患です。特定の食物を摂取することにより免疫システムが過敏に働き、体に不利益な症状が現れることです。牛乳で下痢をするといった乳糖不耐症や、食中毒などは含みません。
即時型食物アレルギーの症状でもっとも多く、じんましんやかゆみ、赤みなど、患者様の約9割にみられます。
皮膚症状の次に多いのが、くしゃみ、せき、呼吸困難、ゼーゼー、ヒューヒューなどの症状です。
口の中がイガイガしたり、唇や口の中、まぶたが腫れるなどの症状が出ます。また外見的にはわかりませんが、のどの粘膜も腫れてくる可能性があります。この場合、気道がせばまり、オットセイの鳴き声のようなせきや、声がれ、声が出なくなってきたりします。さらに進行すると窒息する可能性もあり、迅速な対応が求められます。
腹痛や吐き気、嘔吐などの症状が出ます。その程度はさまざまです。
皮膚・呼吸器、粘膜、消化器など複数の臓器(2つ以上に出る)症状が全身に出るものがアナフィラキシーです。特に、血圧低下、それにともなって意識を失うなどの状態はショックと位置づけられ、命にかかわる危険な症状です。
ほぼあらゆる食物や食品添加物がアレルギー反応の原因になる可能性があります。最も一般的な誘因は、年齢層によって異なります。乳児と幼児における食物アレルギーでは、以下のような最も一般的なアレルギーの誘因(アレルゲン)に対してアレルギーを起こす傾向があります。
鶏卵牛乳小麦ピーナッツ
魚卵乳幼児が食物アレルギーを起こさないようにするために、これらの食物を食べさせないようにする親が大勢いますが、最近の科学的根拠から、ピーナッツや鶏卵を含む食品を生後6ヶ月頃から定期的に与えることが、ピーナッツ又は鶏卵アレルギー発症の予防に役立つ可能性があることが示唆されています。ただし、さらなる研究が必要です。
こどもの食物アレルギーは、成長とともに消化管が発達すると消化吸収機能がしっかりしてきて、治る(食べられる)ようになることが多いのですが、大人の食物アレルギーは、いったん発症すると治ることはなく、原因となる食品を避けるしかありません。
「経口免疫療法」といい、医師の指導の下で、その食材をほんの少量ずつ食べることで体を慣らしていく、という治療法もあるのですが、大人ではなかなかうまくいかないのが現状です。
食物アレルギーは、いつ、誰が発症してもおかしくないものですが、体調の悪さが引き金になることも多いので、疲れているときには原因になりやすい食材を避けるのも一策です。
食物アレルギーでは、症状が出ないように原因となる食品を除去する「除去療法」と、症状が出てしまったときに症状を改善させる治療があります。
原因となる食べ物の除去をすることです。例えば、卵アレルギーの場合は、卵を食べないように除去をします。お菓子などの加工品に含まれる場合もあるため、食品表示をしっかりと確認して卵が含まれていない食品を選びます。
食物アレルギーの患者様でも、食品によっては少量を食べても症状が出ない、加熱するなど調理をしたら食べても症状があらわれない人もいます。これらは食物経口負荷試験にて確認して、必要最小限の除去をすることが可能です。
また、食物除去をする場合、特に複数の食物のアレルギーがある場合には栄養がバランスよく摂れなくなる場合もあります。このような場合は、バランスよく栄養を補うために管理栄養士さんから指導を受けましょう。
それぞれの臓器について症状の程度に合わせて治療を行います。じんましんやかゆみに対しては、抗ヒスタミン薬、咳やゼーゼー・ヒューヒュー(ぜん鳴)に対しては、気管支拡張薬の吸入などを行います。症状が重篤で、全身に及び急速に進行するアナフィラキシーではアドレナリンの筋肉注射が必要になります。
アナフィラキシーが起きたことがある患者様は、日常生活でアナフィラキシー反応が生じたときに自分で治療薬(アドレナリン)を注射することのできるアドレナリン自己注射薬(エピペン®)の処方を受けることができます。この場合、使い方をしっかりと医師や薬剤師に習い、注射の仕方を間違えないようにしなければなりません。
じんましんとは、かゆみを伴い、比較的境界線が分かりやすい「むくみ」と赤みのある「発疹(ほっしん)」が出現する状態をさし、多くの場合において、数時間以内に個々の発疹はいったん消失します。
発疹は虫刺されの様な円形のものが多いですが、数ミリ程度の小さなものから、手のひら以上の大きなものまであり、発疹自体がくっついてまるで地図のようになることも多くみられます。
じんましんの原因物質を食べたり、吸ったり、触れたりした後に、表面が平らで赤い膨らみが突然あらわれます。大きさは直径数ミリのものから、広範囲に地図状に広がるものまであります。
この膨らみは数時間で綺麗に消えてかゆみがなくなることもありますが、出たり消えたりして数日間続くことがあります。
皮膚にじんましんがあらわれるのにともなって胸やのどが苦しくなり、ゼーゼーと音を立てたり咳が出たりすることがあります。
症状が激しくなると呼吸困難に陥ったり、さらにはショック症状(アナフィラキシーショック)を起こす可能性もありますので、緊急の対応が必要です。
アトピー性皮膚炎とじんましんの違い
アトピー性皮膚炎は強いかゆみをともなう湿疹が、顔や首、ひじや膝の内側などにでき、同じ部位に繰り返し起こります。そのため皮膚に色素沈着を起こし、表面が黒ずんできます。乳幼児期では赤いジクジクした湿疹、幼児・学童期では、皮膚全体がカサカサになります。
じんましんでは皮膚が赤く盛り上がる、かゆみをともなう膨疹があらわれます。じんましんが消えた後は、通常、完全に正常化するので、色素沈着などは残しません。
じんましんの原因には様々なものがありますが、約3分の2のケースでは原因が不明とされています。他の原因としては食物、薬剤、汗、物理的刺激などがあります。
尚、小麦製品・エビなどの特定の食品を食べた後、すぐに運動をすると、じんましん、血圧低下、呼吸困難などのアナフィラキシー症状を起こす人がいます(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)。
じんましんを起こす原因がわかっている場合は、その原因を取り除き、避けます。例えば物理性の刺激であれば締めつける衣類を避けるなど服装を工夫したり、アレルギーがあれば原因となる特定の食品や薬を避けるといった対応を行います。
原因が特定できない、特定できても避けきれない場合は、「抗ヒスタミン薬」の服用が治療の基本になります。
皮膚の深いところである真皮には、ヒスタミンなどの物質が含まれる顆粒が詰まった肥満細胞と呼ばれる細胞が存在します。肥満細胞に外から何らかの刺激が加わると、中からヒスタミンが出ていきます。そのヒスタミンが血管に働きかけると、血管が膨れ、血しょうと呼ばれる血液の成分が血管の外に出ていきます。これにより、皮膚が膨らみ、赤みが生じます。これがじんましんの正体です。
ヒスタミンという物質は神経にも働きます。知覚神経が刺激されるとかゆみの感覚がでてきます。
抗ヒスタミン薬について
抗ヒスタミン薬は、血管や知覚神経がヒスタミンの刺激を受けないようにブロックし、反応が起きるのを防ぎます。多くの人が薬をのみ始めて数日から1週間程度で効果を感じるので、まずは治療によって症状が現れないことを目指します。
じんましんが頻繁に起こる場合は、症状が起こらなくなってもしばらく薬の服用を続け、じんましんが起こらない状態が2ヶ月間続くことを目指します。最終目標は治療しなくても症状が現れないことです。長くかかる場合もありますが、やがてじんましんが起こらない状態に到達できます。あきらめずに治療を続けてください。
尚抗ヒスタミン薬が効かない場合、増量したり、又は胃潰瘍の薬等を併用することで症状が治まることが多いです。
アレルギー性鼻炎とは、花粉やダニなどの特定の物質(アレルゲン)を異物とみなし、体内から異物を排除しようと主にくしゃみ、鼻汁、鼻閉の3つの症状が生じてしまう病気のことです。
3大症状は“くしゃみ”“鼻汁”“鼻閉”です。そのほかに頭痛、頭重感、食欲不振、耳・喉・目のかゆみなどの随伴症状が起こることもあります。
また、倦怠感や意欲の低下にもつながります。こうした症状は非常に不快で、日常生活の質を著しく低下させます。生命に関わる病気ではありませんが、学業や仕事に悪影響をきたすこともあります。
原因物質はたくさんありますが、アレルゲンに曝露されることでアレルギー性鼻炎が出現する点は共通しています。アレルギー性鼻炎は一年中症状がある通年性アレルギー性鼻炎と一定の季節に限局して生じる季節性アレルギー性鼻炎に分類されます。
原因の90%がダニによるものです。そのほかにハウスダスト、動物の毛やフケなども原因となります。
季節性アレルギー性鼻炎でもっとも多い原因は花粉であり、花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎のことを一般的に花粉症と呼んでいます。
原因となる花粉は60種類以上ありますが、スギ花粉の飛散が多い日本では花粉症全体の70%がスギ花粉によるものと推測されています。また、ほかの季節に飛散する花粉に悩まされている患者様も多くいます。
アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)によって体内に生成されたヒスタミンという物質によりアレルギー症状が起きます。このヒスタミンが起こす症状を抑えることが、アレルギー性鼻炎の治療として有効になります。
一般的に使われる内服薬は、アレルギー反応を起こす刺激物質を抑える抗アレルギー薬と抗ロイコトリエン薬です。抗アレルギー薬は、ヒスタミンの発生と放出を抑えることにより主にくしゃみ、鼻汁の軽減が期待できる、比較的即効性のある薬です。
作用の強い薬は脳の覚醒を維持するヒスタミン受容体にも同時に作用してしまうので眠気を起こしてしまう場合があります。一方、抗ロイコトリエン薬は鼻粘膜にあるロイコトリエン受容体に作用することで、主に鼻閉に効果を示します。即効性はやや劣りますが眠気は起こりません。
中等症以上では鼻粘膜の炎症を抑える鼻噴霧用ステロイド剤も使用します。ステロイドとは本来副腎と呼ばれる組織で作られるホルモンであり、強い抗炎症効果があります。内服薬の長期連用は副作用の心配がありますが、鼻噴霧用ステロイド薬でのステロイドは副作用の心配は少ないです。
薬物療法で十分な結果が得られない場合、手術も選択肢となります。症状に応じて、レーザー焼灼術・下鼻甲介手術・後鼻神経切断術などが行われます。
アレルゲン免疫療法と呼ばれます。アレルギーの原因であるアレルゲン(抗原)を少量から体内に投与し、体をアレルゲンに慣らすことで症状を和らげる治療方法です。以前は皮下注射による方法のみでしたが、舌下投与による治療法も行えるようになりました。
高いですが(有効率は約8割)、長期間の継続治療も必要です(4〜5年の継続が望ましい)。現在ダニによる通年性アレルギー性鼻炎にはミティキュア®・アシテア®、スギ花粉症にはシダキュア®が使用されている。
当院でも行っておりますので、興味を持たれた方はご相談ください。
アレルギー性結膜炎とはアレルギー反応を起こす物質(アレルゲン)が、呼吸によって体内に入ることや、目の表面に付着することで、眼球の結膜に炎症を引き起こす病気です。
アレルゲンに具体的に季節性のものや、非季節性のものがあります。季節性のものだと、例えばスギ、ヒノキ、イネ、カバノキ等の花粉によって生じるのや、非季節性のものだと、イヌ、ネコ、ダニ、金属、薬剤等によって生じることが知られております。
食物アレルギーで起こる症状の中で最も重症なものがアナフィラキシーです。アレルギーの症状には皮膚や粘膜系、呼吸器系、循環器系、消化器系、神経系の症状があり、2つ以上の臓器に症状が出た状態を指し、それぞれの臓器では軽いものから重いものまで様々な症状があります。
人間ドック・その他検診も行っております。詳しくはこちらからご確認ください。